[N810]Advanced/W-ZERO3[es]をNOKIA N810のモデムとして認識させるKernel Module
以前、Advanced/W-ZERO3[es]を、NOKIA N810のモデムとして使う試みをしました。
[N810]NOKIA N810にAdvanced/W-ZERO3 [es]をモデムとして認識させられたけど……。
そのときは、「/dev/ttyUSB0」として認識させることができたものの、Hubを介さないとダメという結果になって、残念な思いをしました。
しかし、それはAdvanced/W-ZERO3[es]の「設定>パワー マネジメント>USB給電」を「給電する」に設定していたのが原因でした。「給電しない」にしておけば、Hubを介さずに認識しました! 何たるドジ!!
というわけで、下に掲載しているパッケージ「zero3module-1.0-1.deb」をインストールし、再起動をした後でNOKIA N810をUSB Hostモードにし、Advanced/W-ZERO3[es]をUSBケーブルでNOKIA N810に接続すれば、「/dev/ttyUSB0」として認識すると思います。
ただ、PPPの設定がうまくいかないので、どなたかに助けていただきたい次第。
それが、今回のエントリの目的です。
ダウンロード
「zero3module-1.0-1.deb」をダウンロード
「/dev/ttyUSB0」として認識させるまでの手順
こんなことを試せる環境があったり、試す必然性のある人は少ないと思いますが、前述の理由で関心を持つ人が増えてほしいので、「/dev/ttyUSB0」として認識させるまでの手順を書いておきます。
Advanced/W-ZERO3[es]側の設定
- 「設定>パワー マネジメント>USB給電」を「給電しない」に設定
- 「設定>接続>USB接続>」を「モデムとして使用する」に設定
NOKIA N810側の設定
ルート権限の取得
flasherでR&Dモードに切り替えるなどの方法でルート権限を取得していなければ、以下の手順を実行してください。
- 「Repositories for Nokia〜」で紹介のあるリポジトリ「Eko One」の緑の矢印をタップ
- ダイアログ「File download」が表示されるので、「Open」ボタンを押下
- 「Application manager」が起動し、しばらくして「Add catalog」ダイアログが表示されるので、「OK」ボタンを押下
- 「Refresh application list」ダイアログが表示されるので「OK」ボタンを押下
- 「Application manager」の「Browse Installable applications」ボタンを押下すると「becomeroot」があるので、それをインストール
- 以後、「X Terminal」で「sudo gainroot」とたたくとルート権限を得られます
Red Pill Modeの設定
「Application manager」は、デフォルトでは一部のパッケージしかインストールできない、制約のかかった状態になっています。
制限を緩めるために「Red Pill Mode」への切り替えをします。
なぜなら、僕の作ったパッケージは仕様を満たしておらず(!?)「Red Pill Mode」にしておかないとインストールできないからです。すいません、勉強不足です。
既に「Red Pill Mode」にしていれば、もちろんこの手順の実行は必要ありません。
- 「Settings>Application manager」を起動
- 「Application manager」のメニュー「Tools>Application catalog...」を選択
- ダイアログ「Catalog」の「New」ボタンを押す
- ダイアログ「New catalog」のフィールド「Web address」に「matrix」と入力し、「Cancel」ボタンを押す
- 「Which pill?」というメッセージのダイアログが表示されるので「Red」ボタンを押す
- ダイアログ「Catalog」の「Close」ボタンを押す
「zero3module-1.0-1.deb」のインストール
- このエントリにある「zero3module-1.0-1.deb」をダウンロード
- ランチャーの「Utilities>File manager」を起動
- 「File manager」上でダウンロードした「zero3module-1.0-1.deb」をダブルタップ
- インストールのプロセスに入り、いくつかダイアログが表示されるので、それらにはOKと答える
「usb-otg-plugin」のインストール
- USB OTG pluginのプロジェクトページからパッケージをダウンロード(現時点では「usb-otg-plugin_0.0_armel.deb」)インストール「usb-otg-plugin」を
- 「zero3module-1.0-1.deb」と同様に「File manager」からインストール
ケーブルの用意
- [N810]強制USB HostモードでNOKIA N810にUSB機器をいろいろ接続で紹介している、CA-101相当のケーブルと、Aメス to Aメスのジェンダチェンジャ、そして、A to mini Bケーブルを用意します。
接続方法
- USB OTG pluginをインストール後、タスクバーに表示されるUSBアイコンをタップし、メニュー項目「USB UTG host mode」を選択、チェックマークが付いた状態にする
- NOKIA N810→CA-101相当のケーブル→Aメス to Aメスのジェンダチェンジャ→A to mini Bケーブル→Advanced/W-ZERO3[es]といった具合に接続
結果の確認
「Utilities>X Terminal」、もしくは「Extras>X Terminal」を起動し(カスタマイズしてしまって、どっちだったか忘れてしまいました)、コマンドラインで以下をたたきます。
$ dmesg | grep ttyUSB0 [28859.671875] usb 1-1: PocketPC PDA converter now attached to ttyUSB0
上記のような行が見つかればOKです。
ちなみに、「|」はキーボードのカスタマイズをしていなければ、入力の方法が無いと思います。
minicomでATコマンドの応答まで見てみましょうか。
minicomは、「Repositories for Nokia〜」で紹介のあるリポジトリ「debfarm」にあります。先例にならって「Application Manager」の「Catalog」に登録し、インストールしてみてください。パッケージがリストに現れない場合は、「X Terminal」から以下のようにするとインストールできます。
$ sudo gainroot # apt-get install minicom # apt-get install ncurses-base
途中で「Install these packages without verification [y/N]」と聞かれますので、「y」と答えます。
「X Terminal」でminicomを起動します。
minicomを起動する前にメニュー「Tools>Settings...>Font settings」で、フォントサイズを10ptにします。また、ズームボタンで全画面に切り替えておきます。さもないと、画面が崩れます。
$ minicom -s
メニューが表示されるので、「Serial port setup」を選択し、「a」を押して「/dev/ttyUSB0」と入力し、Enterで確定。さらにEnterで「Serial port setup」を閉じる。
続いて「Modem and dialing」を選択。また「a」を押して「Init string」の編集に入り、デフォルトの初期化文字列を消して「ATZ^M」と入力、Enterを2回押して「Modem and dialing」を閉じ、「Save setup as dfl」、そして「Exit」を選択。
すると、「Initializing Modem」と表示され、Advanced/W-ZERO3[es]との通信が開始されます。
次の起動からは、-sオプション無しの「minicom」だけでOKです。
以下のようにタイプしてみます。
AT@LBC1 OK AT@LBC? (郵便番号と緯度経度が返ってくる)OK
AT@LBC2
OK
ATDT0570-570-081##64
CONNECT 300000NO CARRIER
REASON:7000
さあ、ここまできたら、pppd/chatの設定ですが、これがよく分からないです。
ぜひ教えてください。
「/etc/ppp/peers/provider」を編集しながら関連ファイルを編集しつつ、/usr/bin/ponを実行して様子を見てみたのですが、「/var/log/ppp-connect-error」にエラーが記録されず、かといって何も起きずという状態になってしまい、糸口をつかめないでいます。
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