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2006.09.25

車輪格納式インラインスケート「インストレック(Instrek)」インプレッション(2)

インストレック(Instrek)をそれなりに使い込んだので、続報ということで。

前回分エントリ:ウィール格納式インラインスケート「Instrek(インストレック)」インプレッション

動画(movie)

靴下が……とか、スネ毛が……とか、吐息が……とかはこの際いい。
全身でグルーヴを感じるんだ!
(ダウンロードが終わるまで一時停止かけるといいです)

移動手段たりえるか?

個人的に移動手段としての価値に期待して買ったのだが、ヒールブレーキが取り外し式という一点を除いては、これまで存在した同種のものの中では一番の実用度だと断言できる。
また、今後ここまでのユーティリティ性を備えた製品は、少なくとも5年スパンで出てこないだろう。
だから、興味のある人は入手できるうちに買っておいた方がいいよ。

ウィールの出し入れは、慣れると何にも寄りかかること無く、立ったままクイックに行なえる(動画参照)。この点は素晴らしいというほか無い。移動手段としての価値をグっと押し上げるポイントだ。Hypnoの場合、モタモタとウィール部分を装着し、また外している間に、稼いだ時間的なアドバンテージが消失してしまう感があった。

安全性については予断を許さない。ヒールブレーキこそ使っていないが(前回エントリ参照)、今のところ突然ウィールが引っ込んで転んだ、といった目には遭っていない。至ってウィールの固定状態は安定している。
ウィールの出し入れは軽々とできるのに、固定はしっかり。この点は、街乗りだと砂利一つで理不尽な転倒をしてしまいがちな、移動手段としてはリスキーなHeelysに対するアドバンテージといえなくもない。

機能的にはブレーキが問題だ。個人的には、街乗りにおいてヒールブレーキは必要だと思っている。
Hypnoには立派なヒールブレーキが装着可能だ。Heelysはいざとなればつま先全体がブレーキとなる。
インストレックには、頼りなく、不便なヒールブレーキしか無い。
インラインスケートの上級者の多くはヒールブレーキを外しているし、出し入れのたびに付け外しすると機動性が損なわれる。取り外し式なのは構造上しょうがない。ならば、使わないまで。
Tストップ、パワースライドのテクニックを習得すればいい。テクニックで補いさえできれば、インストレックは移動手段として完全になる。

自分はTストップすら怪しいというありさまだったので、インストレックを実用するために特訓した。特訓の結果できるようになった。ヒールブレーキが無いと思うと、できるようになるもんだね。とりあえず土日乗り回した間はヒールブレーキは付けなかった。

テクニックを磨けば、恐らくヒールブレーキが必要と思うことは無くなるのだろう。
しかし、テクニックでブレーキをかけるとウィールが激しく減る。30分ぐらいパワースライドを練習していたら、ブレーキをかける方の一番後ろのウィールが三角になったよ。Tストップはパワースライドほどではないが、やはり1日で目に見えて減る。
だから、長距離乗ることが分かっているシチュエーションでは、ヒールブレーキを使った方がお財布にやさしいかもしれない。

インストレックは移動手段たりえるが、ブレーキングについては考えることが多いだろう。

インストレックのウィークポイント

インストレックは、ウィール径が48mm(22cm〜24cm)/50mm(25cm〜27cm)と小さい。また、3輪しか無い。
だから、走破性やスピードの乗りが通常のインラインスケートより劣るのは分かりきったことだ。
でもどの程度のものか、と思うだろう。

スピードの乗りについては、絶望するほどのものではない。20km、30kmのロングランをしろと言われたら考えてしまうが、少々遅いぐらいだ。

一方で、走破性は街乗りが正直キツいレベルだ。
ちょっと目の荒いアスファルトでも差が出てくる。編み目状の側溝蓋に乗ると転倒の危険がある。
荒れたアスファルトでも、転びかかる。
通常のインラインスケートだと、アスファルト、コンクリートかそうでないかぐらいの気の使い方で走っていけるが、インストレックの場合は路面の状況を詳しく見て、走行ラインを随時吟味する必要がある感じだ。
下りでは、白線の上を走ることが多くなるんじゃないかな(笑)。

インストレックのフレームはガラス繊維+ナイロン製だ。アルミ製のフレームを使ったインラインスケートよりどれぐらい劣るか?
これは意外にも、コントロール性が致命的にスポイルされているような感じは受けなかった。
ただ、ガラス繊維+ナイロン製のフレームがビビって、走行音がうるさい。通常のインラインスケートなら、ほぼ無音で走れるようなシチュエーションでも、ちょっとガラガラとうるさい。この辺は動画を見てもらうと分かるだろう。

インストレックの意外な美点

インストレックは、とても快適性が高い。もちろん、普通の靴と比較するようなものではないが、通常のインラインスケートは、どこかが当たって痛くなるか、靴擦れになりがちだが、インストレックにおいては、それが全く無かった。きっと1日中走っていても大丈夫だろう。
ベルクロをしっかり締めていればサポートは必要十分にあるから、足元が不安定になるということも特別無い。

足首のサポートがあるせいで、通常歩行においてはゴミ箱を足にはめて歩いているかのような歩きにくさがあるわけだが。

メンテナンス

Tストップ、パワースライドが必須、と思っているインストレックだが、そこで気になるのが特殊なサイズであるウィールの入手性。
自分が買ったところに問い合わせてみた。
交換用のウィールを用意しているそうだ。
それも、そんなに高くはなかった。普通のインラインスケートの半額ぐらい。
買うときは、交換用のウィールを用意してくれるか聞いた方がいいだろう。

ちなみに、インストレックのウィールの硬度は標準的な85A。
フレームがガラス繊維+ナイロンなので、路面が悪いところではうるさいが。

ヒールブレーキの交換用はそこには置いてなかったが、DIYショップで入手できるゴムを加工して取り付けている人が居るそうだ。
実際にやっている方がいらしたら教えてほしい。

インストレックが初めてのインラインスケートなら

インストレックの噂を聞いて、手を出そうと思っている人へ。

もしインラインスケートが初めてなら、相当苦労すると思った方がいい。
微動だにできない現実に直面して、こんなはずじゃなかった、と絶望するだろう。
足を地面から上げることができない。前にも後ろにも進めない。そこからのスタートになるはずだ。

ヒーリーズには乗ったことがあるだろうか?
インストレックは、ヒーリーズ(HEELYS)と横並びにしてとらえたくなるが、ヒーリーズはいざというときにつま先での通常歩行に切り替えられる点がインストレックと違う。滑走状態が例外なのだ。
いつでも普段の自分に戻ることができる。そういう甘えが許される。
インストレックの場合、ひとたびウィールを出して走り出したら、ウィールから逃れることはできない。
このことの恐怖というものを一度考えてみるといい。
この恐怖は、ヒーリーズには全く無いものだ。

その壁を乗り越えることができればインストレックは掛け値無しで素晴らしいものだが、必ず壁は越えなくてはならない。そのことを覚えておいてほしい。

インストレックを履いて移動すると楽か?
残念ながら楽じゃない。
長いストロークでずっと走っているようなもので、汗びっしょりになる。
これはスポーツだ。

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